東京大学 大学院工学系研究科 建築学専攻 前真之研究室では、『みんなが快適で豊かに暮らせる住まいのあり方』を考えるべく、様々な最新技術を試行し、環境建築の技術・設計手法を開発されています。今回、3Dスキャン技術の活用にあたり、Scanatをご採用いただき、実測データに基づく環境シミュレーションの試みにご活用いただきました。
Scanatの導入とスタジオ課題への展開
2024年度のスタジオ課題として、学生たちが設計を行う際、既存の建物をScanatで計測し、そのデータを基に3次元モデルを構築し、環境シミュレーションを実施する取り組みを一連のプロセスとして実行いただきました。具体的には、学生たちは現存する実住宅をScanatでスキャンし、その点群データを活用して3次元モデルを作成しました。このモデルを用いて、日照、採光、熱環境などに関する環境シミュレーションが行われ、設計の検討材料とされました。
本試みは、既存住宅のScanat調査から、トレース、3次元CAD (Rhinoceros)でのモデリング、そして環境シミュレーションという一連の流れを一気通貫で行うものであり、学生にとって大きな価値のある経験となっています。また、この取り組みは住宅設計の実務者向けの勉強会である環境塾でも共有されました。
小出邸を対象とした環境シミュレーション事例
スタジオ課題の中間講評では、具体的な事例として、小出邸(建築年:1925年、設計:堀口捨己)を対象とした学生(田公ゆりか氏)の取り組みが紹介されました。田公氏は、Scanatで計測されたデータを基にRhinocerosを用いて小出邸の3次元モデルを作成し、以下の環境シミュレーションを実施しました:
これらのシミュレーション結果を踏まえ、今後の検討課題として、モデルの精緻化(特に天井高の正確な再現)やシミュレーション設定の厳密化などが挙げられました。また、設計方針(目標)として、南面大開口によるグレアの軽減、内装の変更、窓部分の設計変更、CFDを用いた熱環境の改善、植栽の検討、現代的な間取りへの改善などが示されました。さらに、ClimateStudio上で障子をどのように再現するのが適切かという具体的な質問も提起されました。
Scanat活用の意義と今後の展望
Scanatを活用することで、学生は既存建物の詳細な3次元情報を容易に取得でき、それを基にした精度の高い環境シミュレーションを行うことが可能になりました。これは、従来の図面や手作業による計測では困難であった、より実践的で深い学びの機会を提供することが可能です。この東京大学の取り組みは、将来的にはスタジオ課題だけでなく、既存住宅や建築の改修前調査へのScanatの活用も検討されており、データ共有や平面図作成のため、WEB版の必要性に着目いただけております。東京大学におけるScanatを活用した建築設計教育の試みは、実測データに基づいた環境性能の評価と設計へのフィードバックという新しい教育手法の可能性を示唆しており、今後の展開が注目されます。
国土交通省の「働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業」の事例集が公表され、3Dスキャンアプリ「Scanat」の導入事例がモデル事業の成果として掲載されました。
背景と課題
国土交通省では、令和6年4月から始まった建設業の時間外労働規制の適用を踏まえ、働き方改革の実現に向け、働き方改革の実現に向けた効率的な建設工事の促進事業のモデル事業を実施しました。2025年3月24日、その成果をまとめた事例集が公表され、3Dスキャンアプリ「Scanat」の導入事例がモデル事業の成果として掲載されました。
国道のメンテナンス業務では、道路の巡回から補修、除雪、緊急作業まで、維持修繕工事は定期・臨時を問わず、多様な対応が求められます。中でも、施工前の現場確認や工事発注者との情報共有が不可欠です。しかし、従来の手法では以下の課題がありました。
これらの課題を解決するため、トンネル専門工事や構造物補修、一般土木工事などを手がける寿建設株式会社と3Dスキャンアプリ「Scanat」を提供する当社は業務の効率化に取り組みました。
施策と導入効果
ScanatをインストールしたiPad / iPhoneを現場担当者に携帯させ、現場状況把握が必要な際に素早く3Dモデル化を行う。
取得した3Dモデルを活用し、発注者との情報共有をオンラインで実施。既存の計測作業と比較して、大幅な時間短縮の実現を目指す。
(1) 労働時間の削減
現場計測時間:36時間/月 → 15時間/月(約58%削減)
計測漏れがなくなり、再訪問の手間を削減。
(2) 移動時間の削減
3Dモデルを活用したオンライン打合せにより、発注者との現場確認回数を削減。
協力会社の現地訪問が不要となり、移動時間を短縮。
(3) 業務の精度向上
3Dデータを用いた計測により、担当者の経験に依存しない均質なデータ取得が可能に。
作業前の事前打合せ時に3Dモデルを共有し、関係者間での認識のずれを解消。
※施策、および導入効果の詳細は国土交通省の事例集のP60~P63をご参照ください。
今後の展望
本取り組みは、国道維持補修工事にとどまらず、トンネルなどの建築改修工事やインフラ点検などの他分野にも応用が可能です。当社は、今後も施工現場のDX推進を通じて、業務効率化と品質向上を目指してまいります。
4月3(木) 13:30 〜町田ひろ子アカデミーの会場をお借りして、皆様と同施設内を参加者全員でスキャンを実践、スキャン後、皆様の撮影結果を弊社スタッフが実際の画像を確認しながらアドバイスを提供いたします
3Dスキャン技術を導入するにあたり、スキャナの撮影時のコツを中心に、皆様がお持ちのScanatでの撮影方法のコツを伝授いたします。
町田ひろ子アカデミーの会場をお借りして、皆様と同施設内を参加者全員でスキャンを実践、
スキャン後、皆様の撮影結果を弊社スタッフが実際の画像を確認しながらアドバイスを提供いたします
ご参加者全ての皆様にスキャン体験をいただけるよう、撮影時間を大幅に時間延長いたしました。
どうセッションを通じ、どのように撮影(スキャン)すれば短時間で、必要十分なモデル作成ができるかを体験いただけます!
―【セッションタイムテーブル】――――――――――――――――――――
13:30| 開催のご挨拶 (5分)
13:35| 建築業界での3Dスキャン活用事例の紹介 (25分 )
┗Lidarセンサー技術のトレンド
┗Scanat機能紹介
┗Scanデモ(3D SCANのコツをご紹介)
14:00| Hands-on撮影会 (50分 )
14:50| 撮影結果フィードバック (10分)
15:00| 3DSCAN撮影にまつわるQ&A (20分)
15:20| 町田ひろ子アカデミーインテリア研修メニューのご案内 (10分)
┗インテリア設計・デザイン提案で活用したいDX仕事術講座のご案内
―【セッション内容】――――――――――――――――――――
お申し込みはこちら
https://peatix.com/event/4342911?lang=ja-jp
3Dスキャン技術は、現実の立体物の形状・空間を計測する装置(3Dスキャナ)で、立体物を3Dデータに変換するための仕組みです。
物体に触れる事なく形状を取得でき、計測が可能です。
地形や建物、車や文化財等様々な物を形にすることで様々な角度から物体・空間を表示・拡大縮小表示をしたり、寸法を測る事ができます。3Dスキャナの歴史
3DスキャナはレーザーやLED等の光を対象物に投影し反射する時間差や照射の角度をカメラで捉え計算し、物体表面の凹凸形状を3次元データとして取得します。
重量・サイズ・材質等による制限が少なく短時間で複雑な形状を3Dデータ化できる特徴があります。
スマートフォンの顔認証機能や自動運転のライダーセンサーも身近な3Dスキャナです。
LiDARの歴史は古く、1960年代に地形をスキャンするために初めて飛行機に搭載されて以来使われてきた技術です。1980年代以降、LiDARはさらに普及し、LiDARスキャンから収集したデータを、3Dモデルの構築に使用することができるようになりました。
2020年、iPhone 12 ProにLiDARスキャナが搭載された事で3Dスキャナが身近な物になりました
###空間をスキャンし、共有を行う3Dスキャン技術は導入を検討しても専用機器が必要だったこともあり、なかなか手がどどく技術からは乖離していました。また、汎用的なScannerは測量の延長として地形(土木系)や大型構造物(建築系)の形状計測での用途が主目的となっていました。
iPhone/iPadに搭載されたLiDARセンサースキャナを活用することで建築等の業務における現地調査業務を支援する事を目的に開発されたScanatは、日本国内の様々なユーザー様のご意見を反映し開発を進めることで現地調査等で空間をスキャン・保存、計測が必要な現場で高い評価を受け、2022年リリース後3年弱の間で550を超える企業様にご愛用いただいております。
主催者情報
nat株式会社は、空間と物のデジタル化課題を解決するサービスとなるスマホのLiDARセンサーを活用したAI測量アプリScanatを企画・開発・提供いたしております。
「空間」や「モノ」など、世の中の全てを誰でも簡単に現実(3D)を共有できるツールとプラットフォームを通じ、生産性の向上とクリエイティビティの解放を支援します。
毎日の仕事や生活を変えるようなプロダクトを作り、社会へ実装することで、人々の生活で必要不可欠なインフラとなり、安心・安全で、豊かな社会を実現します。
nat株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:劉 栄駿、以下当社)はこの度、株式会社SalesNow(本社:東京都渋谷区、代表取締役:村岡功規、以下「SalesNow」)が運営する「SalesNow DB」による従業員データの分析に基づき、従業員成長率の高い企業として選出されました。 「成長企業セレクション2025」として、Tripleバッジを獲得しております。
本セレクションは、日本国内約540万社の企業を対象として、2024年1月~2024年12月における従業員の成長率をSalesNowが独自に調査し、その成果をもとに選出されたものです。
当社はこの度、この期間中に従業員数成長率25%を実現し、日本国内でも特に高い成長を遂げた企業として認定されました。
社会にインパクトを与えるサービスを生み出していくために、当社は引き続き採用を強化してまいります。
https://salesnow.jp/db/companies/jcbcdj6gang2c9np/growth-selection
SalesNowは、2024年1月時点の従業員数を元に以下のようなカテゴリ分けをしています。
1.Enterprise:1000名〜
2.Mid Market:100名〜999名
3.SMB:10名~99名
上記のカテゴリ内で2024年間での従業員成長率が高い順にランキング化して、「上位5%をTRIPLE 」「上位10%をDOUBLE」「上位30%をSINGLE」のようにバッジが付与されます。
出典:SalesNow DB(https://salesnow.jp/db)
多くのお客様から、「アプリと同様にPCでも操作したい」「協力会社と3Dモデルを共有したい」とのご要望をいただき、このたび新機能の開発に取り組みました。
β版リリースから約1年、多くのユーザー様にご利用いただき、貴重なフィードバックをいただきながら改良を重ねてまいりました。
特に、「Scanat」で作成した3DモデルをWebのURLひとつで共有できる機能は、関係各所へのスムーズな情報共有に役立つと大変ご好評をいただいています。加えて、多くのユーザー様からご要望のあった「ノーマルスキャン」の自動図面出力機能を、当社独自の研究開発により実現し、正式にリリースいたしました。
本機能は、3Dモデルからの自動図面変換を効率化する重要な第一歩となります。ぜひ多くのユーザー様にご活用いただき、新たな可能性を体験していただければ幸いです。
(1)平面図と立面図の自動DXF出力機能
・アプリでスキャンしたモデルから平面図と立面図(任意の断面)をDXF形式で出力可能。
・最大4つの断面を組み合わせて出力することも可能。
(2)曲線計測機能
・アプリと同様の機能をWeb版でも利用可能。
(3)ラベル機能
・各部屋に「リビング」「キッチン」といったラベルを付与可能。
(4)360度写真の埋め込みと自動内見機能
・スキャンしたモデルに360度写真を埋め込み、内見モードに切り替え可能。
・ハイライト機能を活用し、自動で各部屋を巡回可能。
(1)ボタンひとつで簡単同期
・アプリでスキャンしたモデルをアップロードボタンひとつでWeb版に同期可能。
・アプリ上で追加した計測データやメモをWeb版に反映可能。
(2)Web用リンクで簡単モデル共有
・アプリ、Web版どちらからでもWeb用リンクを生成可能。
・Web用リンクを共有することで、Scanatのアカウントを持たない協力会社ともモデルを共有可能。
(3)PCの大画面での簡単操作
・大画面で計測データやメモの追加・削除・色別分類が可能。
・下記の対応ブラウザで、デバイスの制限を受けずに操作可能。
※対応ブラウザ:Google Chrome: 80+、Firefox: 80+、Safari: 15+、Microsoft Edge: 80+
(4)全社のモデルデータ管理機能
・全社と個人のクラウドデータを管理可能。
・個人フォルダの作成が可能。
・モデルデータの検索、フィルタリング機能あり。
(5)共同作業機能
・Web版の権限を持つユーザー同士で計測データやメモの同時編集が可能。
・Web版で追加した計測データやメモは、リアルタイムで他の閲覧者にも反映。
今後も、より一層使いやすいサービスを目指し、機能の改善・開発に取り組んでまいります。
2025年3月10日に行われたトライアングルエヒメ デモデイ 2025に弊社代表の劉が登壇いたしました。
当日は弊社で開発した3Dスキャンアプリ「Scanat」を活用した火災調査業務効率化の取り組みについて発表し、「Scanat」が消防領域における活用事例と実証結果を交えながら、高い費用対効果があることを説明しました。
愛媛県内を実装フィールドとして、多様な産業領域における地域の課題に対して、愛媛県が民間事業者(コンソーシアム含む)から企画提案を募集し、デジタル技術の実装や県内への横展開の実現性等の高い提案を採択。採択プロジェクトには、現地の事業者とコンソーシアムを組成、課題解決につながるデジタル・ソリューションの実装検証を行います。
事業の詳細についてはWEBサイトをご覧ください。
https://dx-ehime.jp/
【開催概要】
2025年3月10日(月) 13:00~17:00
会場/愛媛県県民文化会館 愛媛県松山市道後町2丁目5−1
定員/300名
参加費/無料
内容/事例発表 、交流会(ネットワーキング)、製品展示等
※事業相談、その場での商談なども可能です。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
「IMPACT THE SOCIETY」をビジョンに、日々の仕事や生活を変えるようなプロダクトを開発し、社会へ実装することで人々の生活に必要不可欠なインフラとなり、安心・安全で豊かな社会を実現することを目指して事業を展開するnat株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:劉 栄駿)は、本社事務所を下記に移転いたしますのでご案内申し上げます。
お取引先様には、今後一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
050-1780-7133 ※変更ありません。
2025年4月1日(火)より
お近くにお越しの際は是非、お立ち寄りください。
アクセス方法などは下記のリンクをご参照ください。
https://office.sumitomo-rd.co.jp/building/detail/chuou/yaesudori
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
「IMPACT THE SOCIETY」をビジョンに、日々の仕事や生活を変えるようなプロダクトを開発し、社会へ実装することで人々の生活に必要不可欠なインフラとなり、安心・安全で豊かな社会を実現することを目指して事業を展開するnat株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:劉 栄駿)は、自社の研究開発力を世界トップレベルに強化していくために、アジアのシリコンバレーと呼ばれる中国の深圳で支社を設立いたしましたことをお知らせします。
Hanking Center 1701, 9968 Shennan Boulevard, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong, China, 518051
https://scanat.app/models.html?6dcbbaa3-59a0-491c-be8c-ab504daa5aec
2025年1月15日
お近くにお越しの際は是非、お立ち寄りください。
漢京金融センターについては下記のリンクをご参照ください。
https://www.morphosis.com/architecture/219
一般社団法人ベターライフリフォーム協会様が公開されているBLRチャネルにて、株式会社キタセツ様のScanat利用事例が紹介されました。LiDARセンサーを活用した3Dスキャン技術を実際のリフォーム業務に取り入れるにあたり、非常に価値の高い活用方法になるかと思います。是非ご確認ください。
2月21(金) 10:00 〜町田ひろ子アカデミーの会場をお借りして、皆様と同施設内を参加者全員でスキャンを実践、スキャン後、皆様の撮影結果を弊社スタッフが実際の画像を確認しながらアドバイスを提供いたします
3Dスキャン技術を導入するにあたり、スキャナの撮影時のコツを中心に、皆様がお持ちのScanatでの撮影方法のコツを伝授いたします。
町田ひろ子アカデミーの会場をお借りして、皆様と同施設内を参加者全員でスキャンを実践、
スキャン後、皆様の撮影結果を弊社スタッフが実際の画像を確認しながらアドバイスを提供いたします
―【セッションタイムテーブル】――――――――――――――――――――
10:00| 開催のご挨拶 (5分)
10:05| 建築業界での3Dスキャン活用事例の紹介 (30分 )
┗Lidarセンサー技術のトレンド
┗Scanat機能紹介
┗Scanデモ(3D SCANのコツをご紹介)
10:35| Hands-on撮影会 (20分 )
10:55| 撮影結果フィードバック (20分)
11:15 | 3DSCAN撮影にまつわるQA (25分)
11:40 町田ひろ子アカデミーインテリア研修メニューのご案内 (10分)
┗インテリア設計・デザイン提案で活用したいDX仕事術講座のご案内
―【セッション内容】――――――――――――――――――――
お申し込みはこちら
3Dスキャン技術は、現実の立体物の形状・空間を計測する装置(3Dスキャナ)で、立体物を3Dデータに変換するための仕組みです。
物体に触れる事なく形状を取得でき、計測が可能です。
地形や建物、車や文化財等様々な物を形にすることで様々な角度から物体・空間を表示・拡大縮小表示をしたり、寸法を測る事ができます。3Dスキャナの歴史
3DスキャナはレーザーやLED等の光を対象物に投影し反射する時間差や照射の角度をカメラで捉え計算し、物体表面の凹凸形状を3次元データとして取得します。
重量・サイズ・材質等による制限が少なく短時間で複雑な形状を3Dデータ化できる特徴があります。
スマートフォンの顔認証機能や自動運転のライダーセンサーも身近な3Dスキャナです。
LiDARの歴史は古く、1960年代に地形をスキャンするために初めて飛行機に搭載されて以来使われてきた技術です。1980年代以降、LiDARはさらに普及し、LiDARスキャンから収集したデータを、3Dモデルの構築に使用することができるようになりました。
2020年、iPhone 12 ProにLiDARスキャナが搭載された事で3Dスキャナが身近な物になりました
###空間をスキャンし、共有を行う3Dスキャン技術は導入を検討しても専用機器が必要だったこともあり、なかなか手がどどく技術からは乖離していました。また、汎用的なScannerは測量の延長として地形(土木系)や大型構造物(建築系)の形状計測での用途が主目的となっていました。
iPhone/iPadに搭載されたLiDARセンサースキャナを活用することで建築等の業務における現地調査業務を支援する事を目的に開発されたScanatは、日本国内の様々なユーザー様のご意見を反映し開発を進めることで現地調査等で空間をスキャン・保存、計測が必要な現場で高い評価を受け、2022年リリース後3年弱の間で550を超える企業様にご愛用いただいております。
主催者情報
nat株式会社は、空間と物のデジタル化課題を解決するサービスとなるスマホのLiDARセンサーを活用したAI測量アプリScanatを企画・開発・提供いたしております。
「空間」や「モノ」など、世の中の全てを誰でも簡単に現実(3D)を共有できるツールとプラットフォームを通じ、生産性の向上とクリエイティビティの解放を支援します。
毎日の仕事や生活を変えるようなプロダクトを作り、社会へ実装することで、人々の生活で必要不可欠なインフラとなり、安心・安全で、豊かな社会を実現します。
TOPPANホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長CEO:麿 秀晴)と、誰でも簡単に現実空間を高精度にデジタル化するiOSアプリ「Scanat」を中心にサービスを展開するnat株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:劉 栄駿、以下nat)は、建設業界向けの空間シミュレーション領域におけるサービスの共同開発に向けて、2024年11月末に資本業務提携を締結しました。
本提携により、TOPPANグループが提供する建材・設備メーカー向けBIM(※1)データ管理サービス「GAMEDIOS® BIMオプション」とnatが提供する高精度AI測量アプリケーション「Scanat」のナレッジ・ネットワークを融合させ、BIMデータと高精度な3D空間データを連携した空間シミュレーションサービスを開発し、建設業界における生産性向上やDX推進を支援します。
近年、建設業界において人手不足や就業者の高齢化が進む中、生産性向上の取り組みやDX推進が求められています。国土交通省では、建設現場の生産性向上の取り組みとして2016年度よりICT施工をはじめとする「i-Construction」の取り組みが推進されてきました。2024年にはこれまでの取り組みをさらに一歩進めた「i-Construction 2.0」が策定され、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目標として、建設現場のオートメーション化に取り組んでいます。
TOPPANグループでは、2022年9月より建材・設備メーカー向けのBIM活用サービスとして「GAMEDIOS® BIMオプション」の提供を開始。専門的な知識がなくても容易にBIMデータを取り扱うことを可能とし、BIMデータを単なる図面活用だけでなく、3DシミュレーターやAR、メタバースなど販促への活用や、2D/3D図面出力などの業務効率化ツールへの活用も提案してきました。
natは「Share { the REAL }」をミッションに掲げ、「空間」や「モノ」など、世の中の全てを誰でも簡単に現実(3D)へ共有できるツール・プラットフォームを開発し、生産性の向上とクリエイティビティの解放を支援しています。高精度AI測量アプリケーション「Scanat」は、動画を撮影するように対象をスキャンするだけで誰でも簡単に現実空間を記録・計測できるアプリとして建設業をはじめ、不動産や製造業、自治体など各業界における空間の確認・記録作業の業務効率化を支援しています。
本協業により、TOPPANグループとnatのナレッジ・ネットワークを融合させ、建設業界の空間シミュレーション領域におけるサービス開発を両社で推進。建設業界におけるICT活用を推進し、生産性向上などへの貢献を目指します。
・「GAMEDIOS® BIMオプション」と「Scanat」を連携した空間シミュレーションサービスの開発
natが提供する「Scanat」による現実空間を㎜単位の精度で測量した高精度3D空間データと、TOPPANグループが提供する建材・設備メーカー向けBIMデータ管理サービス「GAMEDIOS® BIMオプション」で管理する建材・設備のBIMデータを融合することで、現実のデジタルツイン空間で建材・設備のシミュレーションを可能とする空間シミュレーションサービスの開発・提供を目指します。これまで、建材・設備の空間シミュレーションにおいて写真データやバーチャルデータで行っていた提案も、現実空間の測量データを基にした高精度3D空間データ上で行うことにより、リアリティのある設計・提案を実現します。また、BIMデータを活用することで色・サイズ・価格などの情報を踏まえたシミュレーションが可能となります。
・両社サービスの相互提案により建設業界全体のICT活用を推進
両社の顧客へ向けて各社が持つサービスの相互提案を行います。建設業をはじめ、不動産や製造業、自治体など各業界に展開する「Scanat」と、建材・設備業界を中心に展開する「GAMEDIOS®」「GAMEDIOS®BIMオプション」を連携して展開することで、測量や面積算出などの現場での対応から、BIMデータの管理・活用までを対応し、建設業界全体におけるBIMデータやICT活用の拡大を支援していきます。
TOPPANグループとnatは、両社が持つ建設業界向けのサービス、ナレッジ、ネットワーク等を活用して、建設業界向けの空間シミュレーションサービスをはじめとした様々なサービス・ソリューション提供を加速し、建設業界のICT活用の促進を支援していきます。
※1 BIM(Building Information Modeling)の略。建築物をコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計・施工・維持管理に関する情報を一元化して活用する手法。
*「scanat」はnat株式会社の登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
nat株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:劉 栄駿、以下 nat)は、DEEPCOREをリードインベスターとして、TOPPANホールディングス株式会社、Dual Bridge Capitalおよび松岡広隆等を引受先とする総額5億円の第三者割当増資を実施しました。
いままで空間や現場を寸法付きで記録したいときに、カメラとメジャーしか連想されない世界でした。さらに業務となると経験がある複数のスタッフが現場に出向き、全ての箇所をメジャーなどで1箇所ずつ計測し紙に記録することや、数百枚の写真を撮るといった属人的な記録手法では、測り忘れや撮り忘れがどうしても避けられず、現場に何度も足を運ぶといった付加価値のない作業が生まれます。また、その空間を社内や社外の関係者に共有するのも各担当者がFAX、電話、紙、写真など伝統的なツールを用いていますが、三次元の空間を齟齬なく各所に伝えることは難しく、顕在化された課題となっています。
この課題に対し、3年前にnatがiPhone/iPadを用いた新しい空間記録手法の提案を試みました。この構想を実現するために、2022年1月に世界で初めてミリ単位計測(※1)と曲面計測(※2)が可能な3Dスキャンアプリ「Scanat」を正式にリリースしました。「Scanat」がリリースされてから多くの企業や自治体に導入され、皆さまからのフィードバックで度重なる機能の追加と改善を実現してきました。従来のカメラやメジャーよりも簡単に現場を高精度に記録でき、さらに図面まで作成することからBIMソフト上でのシミュレーションまで活用できることが実証され、さまざまな業界で活用されています。
(※1)2019年10月時点のApp Storeにおける全ての3Dスキャニングアプリとして、自社調べ。
(※2)2024年3月時点のApp Storeにおける全ての3Dスキャニングアプリとして、自社調べ。
今回調達した資金は「Scanat」の開発を加速させ、新規事業の立ち上げと並行し、サービス提供価値の向上を通じ、各種業務における更なる浸透とマーケットでの認知度向上を図ります。
DEEPCORE Senior Director 三宅 俊毅(Toshiki Miyake)氏
建設や住宅関連などの産業では、現場の進捗可視化のため、精密かつ適時の計測・記録が求められています。しかしながら、対象は建築物や地形といった、大きく複雑な物理的空間で、時間経過に伴う変化もあり、その実施は作業面・費用面のいずれも極めて非効率となっています。加えて、人手不足も問題を悪化させています。
この度、当社「Scanat」が状況を劇的に改善する解決策と確信し、ご出資させていただきました。当プロダクトの高い計測精度と、ユーザ・関係者の負担・ストレスを徹底的に低減したUIは、これまでBruceさんを中心としたTeam natが顧客に誠実に向き合ってきた結晶であり、ご支援できることを大変光栄に思います。物理的空間を対象とする様々な領域に生産性向上が拡がるよう、私達も全力で伴走していきます。
TOPPANホールディングス株式会社 戦略投資部 内田 多(Masaru Uchida)氏
Scanatは、確かな技術力と深い顧客課題に根差したプロダクトです。それでいて、デバイスはスマートフォン等で、操作も簡単に利用ができるという強みを持っています。今回、natのみなさんとご一緒し、空間コミュニケーションを拡大していけることを大変嬉しく思います。
TOPPANグループのサービス・プロダクトと連携することで、natさんの事業成長に貢献しながら、新たな価値創造を進めてまいります。
Dual Bridge Capital 代表パートナー 伊東 駿(Shun Ito)氏
この度、nat株式会社に投資家として参加させていただくことができ、大変嬉しく思います。
計測を起点に拡張を目指す同社の事業は、住宅をはじめとした様々な「空間」に纏わるプラットフォームを構築し、各種業務と⽣活に変⾰を与えるインフラになると考えております。
Dual Bridge Capita及びミダスグループが持つ知見やアセットを活用頂くことで同社の更なる成長に少しでも貢献できるよう伴走させていただきます。これから宜しくお願い致します!
松岡 広隆(Hirotaka Matsuoka)氏(エンジェル投資家、元衆議院議員)
議員時代には、経済産業委員や警察行政研究会事務局長などを務め、主に新規産業の創出、ベンチャーの創業を専門として国政に尽力していました。現在は東証一部上場企業等の顧問も兼任しながら、エンジェル投資家としてスタートアップの支援に注力しています。
本事業内容を拝見した際、劉社長の卓越した問題解決力とビジョンに深く感銘を受けました。本サービスは、現場の課題やニーズを的確に捉えた画期的なソリューションであり、建設業界をはじめとする幅広い分野だけでなく、新たに創設される予定の防災省の活動や災害の現場対応等といった行政の働きにも大きな影響をもたらすと確信しています。今後、本サービスはますます拡大すると思いますので、今後とも応援していきたいと思います。